東日本大震災で被災し休館していた福島県楢葉町の町歴史資料館が東京大総合研究博物館との官学連携でミュージアム「大地とまちのタイムライン」として生まれ変わり22日開館した。「危機~再生~未来創造」をキーワードに、地球誕生から現代に至るまで幾多の危機を乗り越えてきた人類の歴史をたどる貴重な資料を通し、町の未来に向けた新たな物語を創造していく。
復興事業を契機につながった町と東大が、被災した町歴史資料館の改修と、資料の保管場所が逼迫(ひっぱく)していた総合研究博物館の学術標本の移設を図る目的で資料館をリニューアルした。
国道6号沿いで町役場に隣接する町コミュニティセンターの1階にある。東大総合研究博物館が所蔵する鉱物や古生物の化石、町内で出土した土器などが並んでいる。映像と町のジオラマを組み合わせたプロジェクトシアターも設けた。
22日、開館式を行った。松本幸英町長が「英知を集積し、町の新たな文化の拠点として情報発信し、交流人口の増加につなげていきたい」とあいさつ。東大総合研究博物館の西秋良宏館長が期待を寄せた。開館を記念し、東大アイソトープ総合センターの秋光信佳教授、東大総合研究博物館の洪恒夫特任教授が講演した。
入館無料。開館時間は午前9時から午後4時30分まで。月曜日と祝日、年末年始は休館。