X メニュー
福島のニュース
国内外のニュース
スポーツ
特集連載
あぶくま抄・論説
気象・防災
エンタメ

創立100年記念式典へ母校訪問 福島県の双葉高同窓会 記録映像撮影や資料収集

2023.05.20 09:20
教室で校訓が記された紙を手にする松本会長。周囲には机や椅子が散乱している

 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故で休校となっている双葉高の同窓会は19日、福島県双葉町の母校を訪れ、10月の創立100年記念式典に向けて記録映像の撮影や資料収集に取り組んだ。節目の年に震災の爪痕が生々しく残る学びやに足を踏み入れ、伝統を次世代につなぐ決意を新たにした。

 県の許可を得た上で、松本貞男会長(75)ら同窓生6人が校舎に入った。校内を巡り、カメラやスマートフォンで震災発生時とほぼ変わらない姿を記録した。入り口付近にあるショーケースのガラスは割れ、破片やトロフィーが廊下に散らばっていた。教室では机や椅子が倒れ、ノートやペンなどが散乱。黒板の上に掲げられていた校訓「質実剛健・終始一貫」を記した紙も落ちていた。

 同窓生は学校に隣接する栴檀(せんだん)会館にも入り、野球部が甲子園に出場した際の記念誌や写真などを収集した。映像や資料は町産業交流センターで10月8日に催す記念式典での活用を検討する。

 松本会長は「変わり果てた姿を見ると、さみしい限りだ」と無念さを口にした。式典に向けて「映像や資料を活用し、学校の伝統を後世に残していきたい」と話した。