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震災で全壊の香取神社再建 地域のシンボル復活、氏子ら喜びの竣工式 福島県浪江町

2023.09.01 19:52
再建された香取神社の前で行われた竣工式

 東日本大震災で被災した福島県浪江町末森地区の香取神社が再建された。1日、現地で竣工(しゅんこう)式が行われ、氏子らが地域のシンボルの復活を喜んだ。

 香取神社は東京電力福島第1原発事故に伴う帰還困難区域のうち、3月に避難指示が解除された特定復興再生拠点区域(復興拠点)内にある。震災の地震で、ほぼ全壊した。神社への信仰が厚い末森、田尻両地区の住民や氏子が「地域の心のよりどころを取り戻し、復興につなげよう」と、2021(令和3)年10月に再建委員会を立ちあげた。

 一時立ち入りの許可を得て、昨年6月から工事が始まった。神社の予算などを活用し、本殿や屋根の一部を改修するなど震災前と同じ木造平屋に仕上がった。今後、境内には震災と原発事故の複合災害の記録を記した再建記念碑も建立する。

 竣工式には氏子ら約30人が出席した。ともに再建委員会副委員長を務める志賀元治末森区長、中西総一郎田尻区長らが玉串をささげた。中西区長は「原発事故の影響でこの地を離れた人も含め、住民にとって香取神社は古里であり、永遠に心のよりどころだ。強い思いを子孫の続く限り守り続けることを新たに決意する」とあいさつした。