福島県大熊町と町農業委員会は15日、東京電力福島第1原発事故に伴う帰還困難区域のうち、昨年6月に避難指示が解除された熊地区の特定復興再生拠点区域(復興拠点)で、実証栽培のコシヒカリを収穫した。
町職員と根本友子会長ら合わせて約20人が、鎌で稲を刈り取った。今後、県の検査機関に送る。全量全袋検査で放射性セシウム濃度が国の基準値(1キロ当たり100ベクレル)以下なら出荷・販売できる。町は安全性を確認した上で、10月のイベントで配布する予定だ。
町内の復興拠点では2020(令和2)年度からコメの試験栽培を実施し、放射性セシウム濃度が国の基準値を下回ったため、今年度から実証栽培に移行した。2025年度から復興拠点内での営農再開を目指している。