福島県の相馬双葉漁協が地元の相双沖で操業する今季のフグのはえ縄漁が2日、始まった。
今季は資源管理と高単価のフグの提供のため、漁の開始を例年の9月から1カ月遅らせた。定量制として、1日1隻当たり30匹前後を水揚げする。相双沖の天然トラフグの水揚げは昨年、36・1トンと過去最高を記録した。同県相馬市内では漁業者や観光・商業関係者、行政が一体となって天然トラフグをブランド魚「福とら」として売り込む取り組みを進めている。
相馬原釜(相馬市)、請戸(浪江町)両地区から11隻が出漁した。相馬市の松川浦漁港では午前10時過ぎに船が戻り、生きのいいトラフグが水揚げされた。初日の両地区の漁獲量は合計410キロだった。
同漁協ふぐはえ縄操業委員長の石橋正裕さん(44)=福進丸=は35~60センチのトラフグを水揚げした。「(東京電力福島第1原発の)処理水の放出はあるが、変わらず安心、安全、おいしい魚を消費者に届ける。ぜひ相馬に食べに来てほしい」と語った。