東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の被災地で食産業を支援する「東の食の会」は15日まで、タイ・バンコクの飲食店で常磐ものフェアを催している。福島第1原発処理水の2回目の海洋放出が開始された中、現地の人々に、福島県沿岸で水揚げされた水産物の安全性や、おいしさをアピールしている。
現地のすし店「すし勝」で、浪江町産のシラウオの握りや、相馬市産のタコが入ったばらちらしやサラダなど6品が提供されている。日本料理店「蟻月」では相馬市産のヒラメの刺身やアンコウ鍋など7品がメニューに並ぶ。食産業支援に取り組む「合同会社node」(東京都大田区)が協力し、食の海外流通プラットフォームを展開する「epoc」(東京都港区)が輸出などを担当した。
5日は、いわき市の鮮魚販売店「おのざき」がバンコクのクッキングスタジオで、いわき特産のウニの貝焼きなどを振る舞った。フェアは現地の人々に好評で、福島県の新鮮な海産物を楽しんでいるという。東の食の会の高橋大就専務理事・浜通り地域代表は「処理水の海洋放出で大変な状況は続くが、今後も常磐ものを今まで通り、おいしく味わってもらえるようサポートしていきたい」と決意している。