任期満了に伴い11月2日告示、12日投開票で行われる福島県議選の告示まで2週間を切った。21日現在、全19選挙区(総定数58)に現職53人、元職2人、新人17人の計72人が立候補の意思を示しており、10選挙区で実戦入りが濃厚だ。臨戦態勢に入った各選挙区の最新情勢を地域ごとに紹介する。(文中敬称略)
■いわき市 定数(10)―14人
現職10人、元職1人、新人3人の計14人が立候補を予定し、激戦となる見通し。現職が全員立候補する予定で、元職と新人が挑む構図となる。現職は支持拡大を目指し、元職と新人は現職の支持層の切り崩しを狙う。立候補予定者は全選挙区で最多となる見込みだ。
自民は現有4議席の積み上げを狙う。県内最多の10期目を目指す青木稔は平地区を拠点に企業や団体に支援を呼びかける。県連政調会長の矢吹貢一は地元の北部を軸に、平地区中心部などでも浸透を狙う。鈴木智は地元の小名浜地区の企業などを中心に回り、経済界の支持拡大に取り組む。県連青年局長の坂本竜太郎は地盤の南部から、幅広い世代への支持拡大に努める。木村謙一郎は漁業関係者の支援を受け、地盤である北部や沿岸部で浸透に努める。
立憲民主は1議席の維持を期す。県連副代表の古市三久は支援体制の点検を進めながら、企業の労組の支援取り付けを目指す。
共産は2議席の維持を狙う。宮川絵美子は唯一の女性として南部などを軸に、特に女性層への浸透を目指す。吉田英策は地盤とする北部の党支持者の支援を取り付け、経済団体にも支持を呼びかける。
公明は前回獲得した2議席の死守を目指す。南部を地盤とする安部泰男は若者との意見交換を行うなど幅広い層の取り込みを狙う。真山祐一は台風13号による大雨被害を受けた内郷地区を拠点に組織固めに注力する。
前回、旧国民民主から立候補した鳥居作弥は維新の公認を受け、南部を中心に支持拡大を進める。
無所属の西丸武進は地盤である常磐地区などをくまなく回り、支持層を固める。安田成一は連合福島加盟労組と出身母体である東北電力労組を軸に支持拡大を図る。れいわ推薦の山口洋太は北部を拠点に、平地区や小名浜地区などで浸透を目指す。
■相馬市・相馬郡新地町 定数(1)―1人
無所属の荒秀一は地域をくまなく回り、支持を呼びかける。他に立候補の動きはない。
■南相馬市・相馬郡飯舘村 定数(2)―2人
自民の太田光秋と立民の高野光二が立候補を予定している。前回、前々回とも無投票だった。
太田は地盤の南相馬市原町区を拠点に回り、商業団体などへの浸透を図る。
高野は避難区域だった同市小高区を中心に農業団体などに支持を呼びかける。
■双葉郡 定数(2)―2人
双葉地方は東京電力福島第1原発事故の影響で今なお、多くの住民が避難生活を余儀なくされている。現職2人が古里の復興に向けて立候補を表明している。
自民の佐々木恵寿は地元浪江町の他、住民の避難先で支援を呼びかける。
無所属の橋本徹は地盤の楢葉町を中心に南部の支持拡大を図る。