福島県新地町の尚英中と大阪府豊中市の豊中一中の生徒は3日、防災学習を通して交流した。両校の生徒が東日本大震災や東京電力福島第1原発事故の被災地を回り、復興状況や災害の悲惨さを学んだ。
豊中一中は防災学習に力を入れている。同校の坂祐太教諭がICT(情報通信技術)教育の視察のため新地町を訪れたことがあり、現地交流を企画した。両校の生徒会から2、3年生合わせて13人が参加した。
相馬市の伝承鎮魂祈念館を訪れた。映像や写真パネルを眺め、震災の被害や早期避難の重要性を確認した。双葉町の東日本大震災・原子力災害伝承館も見学した。両校の生徒が災害への備え方について話し合った。
尚英中の青田くららさん(3年)は「大阪の子に地震被害について話すと、とても驚かれた。被災地の経験を伝えていく立場になりたい」と決意を語った。豊中一中の古川隼さん(2年)は「大阪は南海トラフ地震に備える必要がある。学びの成果を生徒の間で共有できれば」と話した。
今後、両校の生徒はICTを活用し、災害についてともに学ぶ。10日には新地町で小中学生によるICT活用発表会が開かれ、一部の発表の中で町内の子どもと豊中一中の生徒がオンラインで交流する。