東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出開始から24日で3カ月となった。今年度に予定している全4回の放出のうち3回が既に完了。東電は原発周辺の海水に含まれる放射性物質トリチウムの濃度に異常は確認されておらず、設備トラブルもないとしている。
東電は原発沖3キロ圏内の10地点で海水を採取し、トリチウム濃度の分析結果を翌日に公表している。3回目の放出完了後も当面継続する方針。8月24日の放出開始以降、東電が放出停止の判断指標とする1リットル当たり700ベクレルを下回っている。
一方、2回目放出完了後の10月下旬に、汚染水を浄化処理する多核種除去設備(ALPS)の配管洗浄中に協力企業作業員が放射性物質を含む廃液を浴びる問題が発生。東電が再発防止策をまとめ、協力企業に徹底を求める事態となった。
東電の計画では、ALPSで浄化されないトリチウムを含んだ処理水を海水で薄め、海底トンネルを通じて原発の沖合約1キロで放出する。今年度は約3万1200トンを4回に分けて海洋放出する。4回目放出は年明けに実施する。