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廃炉作業、最善尽くす 東電社長 福島第1原発で年頭訓示

2024.01.05 09:35
安全最優先で最善を尽くすと強調する小早川社長=福島第1原発

 東京電力の小早川智明社長は4日、福島第1原発で社員への年頭訓示を行い、処理水の海洋放出、2号機の溶融核燃料(デブリ)取り出しなどの廃炉作業に対し、安全最優先で最善を尽くす姿勢を強調した。

 小早川社長は社員約160人を前に「今年は福島への責任を全うする上で重要な1年になる。私たちが安全の主役になるとの強い覚悟を持ち、相手の立場に立って最善を尽くす」と述べた。昨年発生した協力企業作業員の身体汚染事案を「大変重く受け止めている」とし、再発防止に向けて社員との対話活動を協力企業にまで拡大する考えを示した。高原一嘉福島復興本社代表もあいさつした。

 東京都の東電本社で、小林喜光会長は「あらゆる仕事を進める上で、対応する相手から信頼をいただくことの重要性を意識してほしい」と呼びかけた。


■被災6町長と懇談

 小早川社長は4日、福島県の大熊、双葉、富岡、楢葉、広野、浪江の6町を訪問した。各首長と懇談し、福島第1原発の廃炉や処理水の海洋放出を安全かつ着実に進める考えを強調した。

 大熊町の吉田淳町長や広野町の遠藤智町長、浪江町の吉田栄光町長は処理水の海洋放出に関し、万全な風評対策を講じ、安全・安心な体制で取り組む必要性を訴えた。双葉町の伊沢史朗町長は最後まで責任を持って廃炉に取り組み、被災地の一刻も早い復興に尽くすよう要望した。

 富岡町の山本育男町長は昨年発生した協力企業作業員の身体汚染事案に触れ、ミスなく作業を実施するよう強調。楢葉町の松本幸英町長は福島第1原発2号機の溶融核燃料(デブリ)取り出しが本格化するのを受け、安全第一で作業するよう求めた。

 小早川社長は「町民の信頼を裏切らないよう、安全最優先で作業を進め、復興と廃炉の両立を図っていく」と約束した。