福島県双葉町の奉納神楽大会は7日、町内の初発(しょはつ)神社で催された。神社での開催は東日本大震災と東京電力福島第1原発事故発生後初めてで、13年ぶり。町内の3団体が神楽を披露し、古里の復興や今年一年の幸を祈願した。
大会は町伝統のダルマ市に合わせ、避難先のいわき市やJR双葉駅前などで開き、歴史をつないできた。町内の居住者が徐々に増えている状況を踏まえ、町のさらなる活性化につなげようと、町教委が震災と原発事故発生前の形に戻した。
渋川芸能保存会と三字芸能保存会、新山芸能保存会が出演した。それぞれが太鼓や笛の音色と共に、迫力ある獅子舞を披露した。町民らが大勢集まり、家内安全や商売繁盛、悪霊退散などを願った。
新山芸能保存会の白土直裕会長は「本来の姿での開催となり、町民も明るい気持ちになったと思う。高齢化や避難などで神楽の継承は厳しくなってきているが、何とかして伝統をつないでいきたい」と話した。