福島民報社の第10回ふくしま経済・産業・ものづくり賞(ふくしま産業賞)の表彰式は7日、福島市の民報ビルで行われ、国見町の陽と人(ひとびと)に最高賞の知事賞を贈った。喜多方市の山中煎餅本舗には10回の節目を記念して設けた夢スタートアップ賞と、新設した次代応援賞を贈呈した。東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の発生から間もなく14年を迎える中、出席者は福島県の復興や産業振興、地域の課題解決に向けて果敢に挑戦する決意を新たにした。
内堀雅雄知事が陽と人の小林味愛社長に知事賞の賞状と盾を手渡した。小林社長は受賞者を代表してあいさつ。福島県復興に貢献したいとの強い思いで国見町に移住し創業した経緯や、徐々に地域に溶けこみ、活動が理解される中で事業が成長していったエピソードに触れ、「自分の努力ではなく、県民が育ててくれたおかげだ。福島の未来に残る会社となるよう今後とも力を尽くしたい」とさらなる地域貢献への意欲を見せた。
福島民報社の芳見弘一社長が郡山市の藤寿産業の西村義一社長に福島民報社賞を贈った。金賞、福島民報社奨励賞などの贈呈も行われた。
第10回を記念して設けた夢スタートアップ賞の表彰では、とうほう地域総合研究所(とうほう総研)の矢吹光一理事長と県信用保証協会の安斎浩記専務理事が山中煎餅本舗の渡部ひとみ代表に賞状やトロフィーを手渡した。今回創設された次代応援賞も受賞。芳見社長が渡部代表に賞状を贈った。
夢スタートアップ賞に輝いた山中煎餅本舗は2025(令和7)年度の1年間、福島民報社、とうほう総研、県信用保証協会の伴走支援を受ける。
ふくしま産業賞は、福島民報社が2015(平成27)年度に創設した。県内の企業・団体の優れた取り組みを顕彰するとともに、全国に誇る福島の技やものづくりの精神を一層盛り上げ、震災と原発事故からの復興と地方創生につなげる狙いがある。
今回は77の企業・団体から応募があった。有識者で構成する専門委員会による1次審査を経て、経済界や共催する県などの代表でつくる選考委員会で各賞を決めた。
■表彰式の模様動画で配信
福島民報社は表彰式の模様を収めた映像を、動画投稿サイト「ユーチューブ」で配信している。動画のURLはhttps://youtu.be/OYGB3d2946Q