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【動画あり】日本の音楽魅力存分に 米でMFJ50周年祭 雅楽講話や“世界初演”の曲披露

2025.02.23 11:04
日本人作曲家が手がけた〝世界初演〟の楽曲などを披露した演奏会
あいさつする三浦理事長・芸術監督
演奏後、フォーラムに臨む宮田さん(左から3人目)、(右から)山本さん、川上さん

【米国ニューヨークで本社文化部・渡部里菜】米国で日本の音楽を紹介する団体ミュージック・フロム・ジャパン(MFJ)は、創立50周年記念音楽祭「アーティスト・レジデンス」のメイン行事をニューヨークのスカンジナビア・ハウスで21日夜(日本時間22日朝)に開いた。訪れた現地の音楽ファンら約140人を前に雅楽の講話や、新たに作曲を委嘱した2曲の“世界初演”を含む演奏などを通して日本の作曲家や伝統音楽の魅力を発信した。


 笙(しょう)奏者の宮田まゆみさんが演奏に先立ち雅楽の歴史や演目を紹介した。宮田さんと竜笛(りゅうてき)の〆野護元さん、篳篥(ひちりき)の国本淑恵さん、笙の中村華子さん、琵琶の伊崎善之さん、箏(こと)の城戸さくらさんの6人によるグループ「時の聲(こえ)」が9曲を披露した。

 「平調音取(ひょうじょうのねとり)」や「越天楽(えてんらく)」といった古典雅楽では、伝統的で厳かな旋律や流麗な情緒を表現。一方、新曲の「伊那谷(いなだに)」(山本哲也作曲)と「青鸞(せいらん)」(川上統作曲)では特殊な奏法などを取り入れ、雅楽の新たな可能性を示した。

 35周年音楽祭で奏でた委嘱曲「舞風神(まいふうじん) 35」を再演した。演奏後にはフォーラムを開き、出演者が作品に対する思いなどを語った。

 生の雅楽に触れた聴衆からは称賛の声が上がった。現地の音楽学校で働くブライアン・カイデルさん(27)は雅楽に興味があり、初めてMFJの演奏会に足を運んだ。「西洋音楽にない音色で、大変興味深い。歴史ある曲と現代の曲を一緒に聴けるユニークな体験だった」と構成に感激した。毎年、音楽祭を楽しみにしているニューヨーク県人会の竹田小夜子会長(福島県いわき市出身)は「ニューヨークで50年も続けているのは素晴らしい」と継続をたたえた。

 MFJの三浦尚之理事長・芸術監督(福島学院大名誉教授)は初日のステージを終え「期待以上の演奏だった」と手応えを語った。宮田さんは「米国の聴衆は積極的に雅楽の世界に入ってくれた。良い曲が誕生し、メンバーの気持ちもまとまったので『時の聲』を今後も続けたい」と話した。

 22日の音楽祭最終日は同所で音楽学者白石美雪さんの講演や、日本人作曲家3人が手がけた楽曲の演奏などを繰り広げる。

【動画】「日本の音楽魅力存分に 米でMFJ50周年祭 雅楽講話や“世界初演”の曲披露」のURLはhttps://youtu.be/IGvhnObUwLg?si=dFUjroz-w-ySibZB