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中山義秀文学賞に木内昇さんの「雪夢往来」と谷津矢車さんの「二月二十六日のサクリファイス」 2作受賞は初

2025.09.29 10:11

 第31回中山義秀文学賞の最終公開選考会は28日、福島県白河市の新白信ビルで開かれた。受賞作に木内昇さんの「雪夢往来」(新潮社)と谷津矢車さんの「二月二十六日のサクリファイス」(PHP研究所)が選ばれた。2作受賞は初めて。

 文学賞は優れた歴史・時代小説を顕彰する。中山義秀顕彰会(会長・鈴木和夫白河市長)の主催、市と市教委、中山義秀記念文学館の共催、福島民報社など後援。「雪夢往来」は雪国の風俗と奇談を収め、江戸のベストセラーとなった「北越雪譜」が出版までにたどった運命を描いた。当時の人気文筆家の人物像や出版界事情を織り込んだ。

 「二月二十六日のサクリファイス」は昭和史の重大事件に焦点を当てた。重要容疑者を捜査する憲兵や軍幹部の目を通して、国家や軍のゆがみを描き出した。各選考委員は「いずれも登場人物を丁寧に書き切っている」などと評価した。

 今回は38作品の応募があり、1次、2次選考会を経て受賞2作と「梅の実るまで 茅野淳之介幕末日乗」(高瀬乃一著、新潮社)の3作品が最終選考会に残った。作家の伊東潤さんと澤田瞳子さん、木下昌輝さん、文芸評論家の細谷正充さんが選考委員を務めた。2次選考は紺野正人福島民報社論説委員長ら3人が審査した。

 贈呈式と受賞記念講演は11月30日、新白信ビルで開かれる。