水素燃料電池車を活用し、災害時に福祉避難所に電力を供給する実証実験は25日、福島県いわき市平上荒川の特別養護老人ホームはなまる共和国で行われた。
夏場に災害が発生して電力が途絶した状況になっても、車からの電力供給でエアコンを稼働させて福祉避難所の快適な環境を確保する目的。東北大災害科学国際研究所の柴山明寛准教授と市がトヨタ自動車の協力を得て実施した。
理論値では、車1台に充塡した水素で12機のエアコンを8時間稼働させられるという。トヨタの水素燃料電池車「MIRAI」に外部給電機を接続し、施設のエアコンを動かすことができた。スマートフォンへの充電も行った。
いわき市には企業を中心に百数十台の水素燃料電池車を保有しているとされる。柴山准教授は「水素燃料電池車から避難所への給電を実装できれば、災害時に企業に協力してもらえるネットワークをつくることが防災力の向上に有効だろう」と提言した。
(いわき版)