中高生の10人に1人が苦しんでいるとされる病気「起立性調節障害(OD)」について学ぶ講演会は、福島市のラコパふくしまで開かれた。中国政府が認める漢方医師「国際中医専門員」の資格を持つ樫田美保さん(札幌市)がODの特徴や克服へのヒントを提示した。
県内外から当事者親子ら約40人が参加した。樫田さんによると、ODは自律神経機能不全の一つとされ、現在も治療法は確立されていない。朝起きられないほどの不調が午後に改善される傾向があるため「学校に行きたくないから怠けている」などと誤解されやすく、樫田さんは病気に対する正しい知識と理解が必要だと訴えた。
胃腸が弱かったり、手足が冷えやすかったりする体質、勉強や人間関係など複数の要因が複雑に絡み合って発症するとし、「精神疾患ではない」と強調。改善策に①寝る5時間前に食事を終わらせ、空腹の状態で寝る②夕飯の量を減らす―などを挙げ、睡眠と食事に気をつけるよう促した。また、「ODの疑いがあれば必ず病院を受診して」と呼びかけた。