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阪神淡路大震災からの復興学ぶ 福島高専3人「淡路夢舞台」など訪問 福島民報社の復興大使

2021.11.08 17:53
夢舞台を視察し、花を生かした復興について考える(左から)鈴木さん、一条さん、山下さん
野島断層保存館で阪神淡路大震災の被害状況を視察する(手前から)山下さん、一条さん、鈴木さん

 2022(令和4)年の福島民報創刊130周年を前に、福島民報社の「ふくしま復興大使」に選ばれたいわき市の福島高専専攻科2年の学生3人は、兵庫県淡路市のリゾート施設「淡路夢舞台」や野島断層保存館などを訪れ、阪神淡路大震災の被害状況や復興までの歩みなどを学んだ。東京電力福島第一原発事故被災地で花を活用した地域再生の実現を目指す。

 大使は一条つばささん(22)、鈴木梨恵さん(22)、山下大輝さん(22)の3人で、阪神淡路大震災からの復興の象徴である淡路夢舞台を視察した。

 夢舞台は震災復興祈念事業として計画が進められ、2000(平成12)年に開業した。広大な敷地には季節の花や緑が楽しめる空間、国際会議場やリゾートホテルなどが点在し、観光客誘致など地域の活性化に役立っている。夢舞台広報事業課の北瀬悦子さんは「震災当時、地域は壊滅的な状況だった。夢舞台は花と緑があふれる創造的復興のシンボルとなっている」などと説明した。

 阪神淡路大震災の原因となった野島断層などを保存している野島断層保存館を訪れ、震災で破壊された道路、断層による地形の変化などを見学した。

 3人は原発事故の除染で発生した土壌の再生利用を考えるプロジェクトに携わっている。大熊町民と町内に花畑を作り、交流するイベントを実施するなど、浜通りの復興について模索している。

 一条さんは「原発事故被災地で花を活用した公園をつくれば、マイナスのイメージを払拭(ふっしょく)できると思った」、鈴木さんは「震災の被害状況を知れて良かった。浜通りでも生かせることがたくさんあると感じた」、山下さんは「花だけでなく、災害に備えるための防災拠点もつくる必要があるのではないか」と述べた。福島高専化学・バイオ工学科の油井三和特命教授が同行した。

 福島高専は福島民報社主催の第6回ふくしま産業賞学生部門で、学生銀賞を受けた。