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完成記念し小中学生らが堤防に壁画 福島県浪江町の請戸漁港で竣工式 福島県内の全10漁港が復旧

2021.11.20 21:18
東日本大震災の地震や津波の被害を受けた浪江町の請戸漁港の復旧事業が完了し、20日に現地で竣工式が行われた。地元のなみえ創成小・中の子どもたちが堤防に描いた絵が披露された

 東日本大震災の地震や津波で甚大な被害を受けた福島県浪江町の請戸漁港の復旧工事が終わり20日、竣工(しゅんこう)式が行われた。震災と東京電力福島第一原発事故から10年8カ月が過ぎ、県内の被災10漁港は全て復旧した。完了を記念し、魚のモニュメントと地元の小中学生らが堤防に描いた壁画が披露された。

 請戸漁港は福島第一原発の北約7キロに位置し、漁港で最も近い。防波堤や岸壁が激しく壊れた上に、原発事故直後の2011(平成23)年4月から約2年間は原則立ち入り禁止の警戒区域になった。このため工事開始は2013年10月にずれ込み、今年3月に完了した。既に利用が始まっている。

 防波堤(延長1948メートル)、岸壁(同745メートル)、臨港道路(同1150メートル)、津波を防ぐための海岸護岸(同1132メートル)を復旧させた。総事業費は約90億円。横山建設が施工した。

 新型コロナウイルス禍による延期を経て行われた式には約30人が出席。浪江町の吉田数博町長が「町にとって大きな前進。漁港の完成により震災前を超える漁業復興を果たしてくれると信じている」とあいさつした。

 披露された陶製の魚のモニュメントは、いわき市に「陶吉郎窯」を構える大堀相馬焼の陶芸家、近藤学さん(67)が、請戸川のサケをかたどって制作した。

 壁画は豊かな海の幸を描いており、なみえ創成小・中の子どもたちと東北芸術工科大の学生が手掛けた。同大3年の玉野文菜さん(21)と佐原亜里紗さん(21)、同中2年の瀬川彩那さん(14)らが除幕した。