東京電力福島第一原発事故による帰還困難区域のうち、来年春の避難指示解除を目指す特定復興再生拠点区域(復興拠点)となっている葛尾村野行地区で30日、準備宿泊が始まる。復興拠点が設定された6町村で最も早い実施となる。
準備宿泊は本来、避難指示区域内で禁止されている自宅での宿泊を特例的に可能にする制度。同地区の復興拠点95ヘクタールに住民登録されている30世帯83人が対象となる。
篠木弘村長は「避難指示解除に向けて一歩前進したと受け止めている。放射線に対する住民の不安解消に努め、住民の声を聞きながら避難指示解除の検討を進めていきたい」とした。
葛尾村のほかに復興拠点が設定された町村のうち、大熊町では12月3日から準備宿泊が始まる。このほか、双葉町は来年1月、富岡町は来年春、浪江町は来年秋の開始を目指している。飯舘村の復興拠点では準備宿泊を巡る具体的な動きは出ていない。