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練習生…覚悟の再出発 「もう一度 はい上がる」 古里の球団からNPB目指す【あすを見つめて】

2022.03.16 17:50
覚悟を胸に3年目のシーズンに臨む国分さん

■国分渉さん 福島Rホープス、いわき市出身

 高校時代、ふたば未来の主戦として活躍した国分渉さん(20)は、プロ野球独立リーグ・ルートインBCリーグの福島レッドホープスに入って三年目の春を迎える。「ファンの期待に全力投球で応えたい」。今季は練習生から再スタートを切る。古里の球団で腕を磨き、国内プロ最高峰のNPB(日本野球機構)入りを目指す。

 いわき市出身。平二小三年の時に東日本大震災が発生。自宅の被害は免れたが、東京電力福島第一原発事故の影響で屋外活動が制限された時期があり、思うように練習ができない日々を過ごした。平二中を経て、高校は自主性を尊重する校風に引かれて創立三年目のふたば未来に進んだ。

 原発事故で避難した部員の話や被災地の現状、課題を探る授業を通して、震災や原発事故の影響の大きさを改めて感じた。「地域の人は被災して大変な中、自分たちを心から応援してくれた」。周囲への感謝の気持ちが芽生え、試合で結果を残し恩返しするために練習に打ち込んだ。三年の時に県大会で初の春四強、夏八強へと導き、歴史を刻んだ。

 高卒ルーキーとして福島レッドホープスに入団。大リーグで活躍した岩村明憲監督の下、全国からNPB入りを目指し集まった選手と競い合えば、自分自身のレベルアップにつながると考えた。

 だが、現実は厳しかった。一年目は四勝、二年目はわずか一勝に終わった。今季は公式戦には出られない練習生からの再出発だ。「実力不足。シーズン中に選手契約を勝ち取り、チーム優勝に貢献する」と自らに言い聞かせる。

 再起を懸けるシーズンの開幕が四月九日に迫る。チームは三月十日に須賀川市でキャンプインした。十六日からは慣れ親しんだ楢葉町のSOSO・Rならはスタジアムにキャンプ地を移す。原点に立ち返り、野球に取り組む姿勢を一から見直す。「もう後がない。ここからはい上がっていく」と前を向いた。