東日本大震災と東京電力福島第1原発事故についてアートを通じた記憶の継承を目指す「おれたちの伝承館」は12日、福島県南相馬市小高区で開館した。小高区の原発事故に伴う避難指示が帰還困難区域を除いて解除されて7年を迎えた同日、関係者が思いをつなぐ民間の展示施設完成を祝った。
同館はアートによる震災の伝承を目指して全国各地を巡回する「もやい展」の常設展示施設。県内で展示できる場所を探していたところ、地域住民とのつながりから昨年末に小高区に決まった。2階建ての空き倉庫に、市内出身の作家ら約20人による約80点の写真や絵画、木彫品を展示している。
館長で写真家として浜通りを長く取材する中筋純さん(56)=東京都=は「アートを通じて震災の経験を継承していきたい。地域の方が集まり話す『おれたちの』場所になってほしい」と話した。
住所は南相馬市小高区南町2の23。開館時間は午前11時から午後5時30分(最終入館午後5時)。入場無料で8月16日までは無休。11月26日までは毎週金、土、日曜日と祝日、その後は不定期で開催予定。今後は開館を記念した各種催しを予定している。詳細はおれたちの伝承館・もやい展のフェイスブックやホームページで確認できる。