教師の8割がボランティア

日本語教室、共生の遅れに懸念

2025/06/16 11:14

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 地方自治体などが運営する外国人向けの対面日本語教室は、教師に占めるボランティアの割合が8割に上ることが16日、国の調査で分かった。教室で学ぶのは主に外国人労働者や家族で、学習環境の整備は国や自治体の「責務」と法律で定められる。生活相談や災害時の安否確認の機能もあるが、人材や資金不足で一つもない自治体も多い。識者は脆弱な態勢による共生の遅れを懸念する。

 「慈善頼みでは続けたくても続かない」。岡山市の会社員浦上幹生さん(46)が運営する教室は、自身を含め教師20人全員がボランティア。年間60万円の県からの補助金は教師の交通費に充て、教材費など年間約10万円は浦上さんが負担する。約70人が通うが、教師不足で習熟度別にクラス分けできないこともある。

 文部科学省が毎年行う日本語教育実態調査によると、2023年度は全国1548教室の教師約2万9千人中、約2万3千人がボランティア。過去20年以上、約8~9割を占める。教室に通う外国人は19年度に過去最多の10万人に迫った。23年度は約8万8千人だった。