妊娠前ケア普及へ取り組み

認知度が課題

2025/06/23 03:44

  • Facebookで共有
  • Twitterで共有

 晩産化や人生100年時代を受け、妊娠前から体と向き合い、正しい知識を身に付ける「プレコンセプションケア」の重要性が高まっている。より安全な出産やカップルの健康につながるが、認知度の低さが課題だ。

 ケアは世界保健機関が推奨し、国内では2015年に専門のセンターが設置された。政府は21年に閣議決定した成育医療等基本方針で推進を掲げたが、こども家庭庁が昨年12月に東京都内の大学で行った調査では、回答した男女50人全員がケアを知らなかった。

 「若いうちは大丈夫と思わず自分の体を大事にしてほしい」。女性のライフステージに合わせた商品を開発・販売する「ベルタ」(東京都)が昨年2~5月、20~40代の妊婦や経産婦553人を対象にしたアンケートでは、このような声が寄せられた。

 妊活の項目では、妊娠まで「想定していたより時間がかかった」が53・7%。排卵時期についてや、胎児の発育に必要な葉酸の摂取など「妊活を始めてみて初めて知ったことがある」は98・7%を占めた。

 広島市は同社と連携協定を結び、ケアの認知度向上を目指す。