
【エルサレム共同】パレスチナ自治区ガザの中心都市、北部ガザ市の制圧を目指すイスラエル軍は5日、同市の高層ビルを攻撃し破壊した。周囲に避難テントが並ぶ地域で、住民の密集地への攻勢を強化した。イスラエルのカッツ国防相はX(旧ツイッター)で「地獄の扉が開いた」とし、イスラム組織ハマスが人質全員の解放と武装解除を受け入れるまで軍事作戦を強める姿勢を示した。
中東の衛星テレビ、アルジャジーラは、攻撃を受けたビルが崩れる様子を伝えた。ガザ市には今も多くの住民がとどまっており、攻撃激化で犠牲者が一段と増えるのは必至の情勢だ。イスラエル軍は「ハマスがビルを利用していた」とし、事前に周辺の住民に退避を通告したと主張した。
一方、ハマスは5日、人質の男性2人の映像を公開した。うち1人は拘束されているガザ市内を移動中の車内からの映像だとし「イスラエル軍がガザ市を攻撃すればわれわれは死ぬ」と訴えた。
ガザ保健当局によると、戦闘開始後のガザ側死者は6万4300人に上り、飢えや栄養失調による死者は370人を超えている。