
【ニューデリー共同】ネパールで9日、交流サイト(SNS)使用禁止措置を取った政府に抗議する若者中心のデモの一部参加者が暴徒化し、議会や最高裁など首都カトマンズ中枢への放火が相次いだ。各地のデモで計30人が死亡し、閣僚への暴行もあった。オリ首相は辞任した。軍は10日、治安維持のため兵士を各所に配置し、暴動は収束に向かった。
軍トップはデモ隊側の代表者らと9日夜に会談し、要求を聞き取ったとみられる。代表者は10日、軍幹部と会談した。
新体制発足に向けた動きが今後の焦点となる。
カトマンズでは8日、外出禁止令を無視した若者ら1万人以上が集結。当初は平和的な行進だったが、次第に一部参加者が車への放火や投石をして過激化した。9日には議会庁舎やオリ氏の私邸などに押し入って放火した。デウバ外相は自宅で暴徒に暴行を受けた。
デモ参加者と鎮圧を図る警察との衝突で、カトマンズと地方都市で参加者が死亡したほか、1033人が負傷した。政府は9日、SNS使用禁止措置を撤回した。