
日本生命保険から三菱UFJ銀行への出向者が同行の社外秘資料を不正に持ち出していた問題で、日生の複数の社員が、出向先の銀行や販売代理店などから無断で情報を持ち出す事例が2019年から6年間で約600件確認されたことが分かった。関係者が12日明らかにした。日生は同日中にも社内調査結果を公表する方針だ。
関係者によると、不適切な情報の持ち出しは三菱UFJ銀以外の出向先でも確認された。問題は三菱UFJ銀だけでなく、複数の金融機関などに拡大した形だ。
三菱UFJ銀で判明済みの事例では、行員が保険商品を販売した際の業績評価などが記された資料を日生からの出向者が「社外秘」と認識しながら、24年春に写真撮影して持ち出した。資料は日生社内で共有し、保険の営業活動に流用していた。日生は陳謝した上で、再発防止に努めると表明している。
日生はこの事案を7月10日に外部からの指摘で把握した。金融庁から報告徴求命令を受け、8月18日に調査結果を伝えたものの「継続調査中」として内容を明らかにしていなかった。