
福岡アジア美術館(福岡市博多区)で、ベトナム戦争終結50年を記念した特別展「ベトナム、記憶の風景」が13日から始まった。19世紀のフランス植民地時代から冷戦下の南北分断、約300万人が犠牲となったとされる戦争の末の国家統一を経て、変わりゆく社会のありようや、今も残る戦争の深い爪痕を約110点の作品を通じて浮かび上がらせる。
国内でのベトナム近現代美術の展覧会としては過去最大規模。担当学芸員の桑原ふみさんは「ベトナム作品を通じて、日本との相互理解を深める機会になれば」と話す。
特設コーナーでは、金沢市の企業が修復を手がけた、絹絵の巨匠グエン・ファン・チャンの作品を展示している。