
【ブリュッセル共同】欧州連合(EU)欧州委員会は19日、ウクライナ侵攻を続けるロシアに対する新たな制裁案を打ち出し、EU加盟国によるロシアの天然ガス輸入を2026年末までに全面停止する方針を示した。EUはロシアからの化石燃料輸入を27年末までに終えるとしてきたが、カラス外交安全保障上級代表によると期限を1年前倒しした。
制裁案実施には、EU加盟国の同意が必要。ロシア産の天然ガスと石油への依存度が高いハンガリーとスロバキアは、代替エネルギーが確保できなければ早期の輸入停止はできないと反発しており、実現には曲折も予想される。
このほか、ロシア産原油を購入している中国などの石油業者や精製所も制裁対象とする。またロシアの金融機関が関与する暗号資産の取引も禁じる。
ロシアの決済システム「ミール」への制裁も検討される。ロシアが制裁逃れに使う「影の船団」にも118隻を新たに加え、計約560隻が入港禁止措置などを受けることになる。