アッバス氏、録画演説へ

国連総会、米ビザ拒否で

2025/09/20 06:49

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 【ニューヨーク共同】国連総会(193カ国)は19日、米ニューヨークの国連本部で23日から始まる一般討論演説を巡り、パレスチナ自治政府のアッバス議長が事前に録画した演説で参加することを認める決議案を採択した。トランプ米政権が自治政府関係者のビザ発給を拒否し、アッバス氏の国連総会出席は事実上不可能となっている。

 日本を含む145カ国が賛成、米国やイスラエルなど5カ国が反対した。決議案は米国にビザ発給拒否の即時撤回も求めたほか、22日に国連本部で予定されているパレスチナ問題解決のための国際会議にアッバス氏が録画かオンラインで参加することも認めた。

 米国のビザ発給拒否は、国連総会に際しパレスチナを国家承認する意向を表明した国が相次いだことへの対抗措置とみられる。米国は1947年に国連と結んだ「国連本部協定」で各国代表が国連に出席できるよう対応する義務を負っている。

 88年にパレスチナ解放機構(PLO)のアラファト議長(当時)のビザ発給が米国に拒否され、アラファト氏の演説のため国連総会の一部がスイス・ジュネーブで開かれたことがある。