
【ロンドン共同】スターマー英首相とカナダのカーニー首相は21日、パレスチナを正式に国家承認したとそれぞれ発表した。承認は先進7カ国(G7)で初めて。オーストラリア政府も21日、国家承認した。フランスも近く承認する意向を表明している。人道危機が深刻化するパレスチナ自治区ガザに攻撃を続けるイスラエルに対し、足並みをそろえて圧力を強めた。
英政府は声明で「歴史的な決定だ」と表明。スターマー氏は承認により「パレスチナとイスラエルの『2国家共存』への希望を復活させる」と強調した。イスラム組織ハマスについては「残忍なテロ組織だ」と指摘、ハマスのパレスチナ統治は認めないと述べた。
カーニー氏は「2国家の平和的共存の実現に協力する」との声明を発表。オーストラリア政府は2国家共存が「永続的な平和と安全に向けた唯一の道だ」と説明した。
世界では約150カ国がパレスチナを国家として承認。9月の国連総会に合わせて、ガザでの停戦実現や人道状況の改善に向けた動きが活発化した。