
介護や福祉事業の経営コンサルタントが、契約先や自身の運営する訪問看護事業で看護師の名義の貸し借りを県をまたいで行い、不正に事業所の指定を受けて公的な報酬を得ていたとみられることが23日、内部資料や複数の元社員らの証言で分かった。行政のチェックの不備を突いた手法で、訪問看護に限らず氷山の一角とみられる。
介護保険や障害福祉の事業所を始める際は自治体に指定を申請し、従業員の氏名などを届け出る必要がある。だが、その人物が別の場所で働いていないか照合できる仕組みはない。
コンサルは一般社団法人「介護福祉サポート協会」(東京)の佐藤国英代表理事(65)。佐藤氏は「ケアラボ」(大阪市)という会社も経営し、「アウル」の屋号で訪問看護ステーションを13都県に展開している。
共同通信の取材に対し、佐藤氏は会社を通じて「名義貸し借りは行っていない。ただし外部から誤解を招く可能性があった。社内調査をしており、必要に応じて行政に相談・報告し、是正していく」としている。