関係自治体に落胆の声と徒労感

「ホームタウン」事業の撤回で

2025/09/25 19:19

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 「撤回は残念」「経緯の検証を」。アフリカとの交流推進を目的とする「ホームタウン」事業を国際協力機構(JICA)が撤回したことに、各国からのインターン受け入れなどを想定していた自治体では落胆の声が上がった。SNS上で誤った情報が拡散したことで多くの抗議電話などが殺到した自治体の担当者には徒労感もにじんだ。

 ナイジェリアのホームタウンに認定されていた千葉県木更津市を巡っては、同国政府が「日本が特別なビザ制度を創設する」という誤った内容の声明を発表。これ以降、SNS上で「移民受け入れが一気に増加する」などとする誤情報が急拡大した。

 この声明は日本政府の訂正要求を受けて削除され、市も誤情報を否定したが、抗議の電話が相次ぎ、その数は計約9千件に上った。市担当者は「JICAには検証と原因究明を求めたい」と苦言を呈した。

 モザンビークのホームタウンとされた愛媛県今治市では事業に抗議するデモが行われ、市役所のトイレでは「移民反対」などと書かれた落書きも複数見つかった。抗議の電話やメールも計数千件寄せられた。