
【キーウ共同】ロシアによる領空侵犯が東欧で相次ぎ、北大西洋条約機構(NATO)加盟国の緊張感が高まっている。国際法違反だとの非難に対し、ロシアは公海上の飛行だったとかわす。ロシアの侵攻を受けるウクライナのゼレンスキー大統領は、ロシアの作戦の「飛び火」だとして危機感の共有を訴える。ロシアの「挑発」に乗れば緊張が激化する恐れがあり、NATO側は対応に苦慮している。
発端は8月1日、ロシアの飛び地カリーニングラードに接するバルト3国のリトアニアで、爆発物2キロを搭載した無人機が軍事訓練場で見つかったことだった。ロシアがウクライナに向けて飛ばした無人機が誤って領内に侵入したとみられるが、7月下旬にも領空侵犯が確認されていた。
9月には、ポーランド軍が領空内でロシアの無人機を撃墜。ポーランドは「国民への現実的な脅威だ」と指摘し、欧州連合(EU)も「意図的だ」とロシアを批判した。直後に、ルーマニアでも無人機の侵入があった。さらに同月19日、ロシア軍のミグ31戦闘機3機がエストニア領空内を12分間飛行した。