自民「反軍演説」全文復活を検討

日中戦争批判で議事録の大半削除

2025/09/30 19:41

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 1940年の帝国議会で日中戦争を批判し、議事録から大半が削除されたままとなっている斎藤隆夫元衆院議員の「反軍演説」を巡り、自民党が全文を復活させる方向で検討していることが分かった。会合などで度々演説に言及している石破茂首相の思い入れを反映しているとみられ、野党との調整に入った。複数の関係者が30日、明らかにした。

 衆院によると、不適切発言などを理由に国会の議事録から削除された部分を元に戻した前例はない。議長の諮問機関である議会制度協議会で対応を協議することになるという。

 首相は戦後80年に当たり、先の大戦に関する見解を10月4日の自民総裁選後に発表する意向をにじませている。「政治はいかなる役割を果たし、いかなる役割を果たさなかったか」などの論点を盛り込むと説明している。

 野党では、立憲民主党の長妻昭前代表代行が議事録の復活を主張している。社民党の福島瑞穂党首らも賛同している。

 首相は講演などで折に触れて反軍演説を取り上げてきた。今年1月の会合では「本当のことを言わないと国は傾く」と強調した。