特別賞 手づくりマルシェ(福島) 展示販売で交流人口増

2020/03/10 16:36

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 東日本大震災の発生直後、避難所で押し花のワークショップを始めた。それが団体設立のきっかけになった。ものづくりは会話を弾ませ、人を笑顔にする。「手づくり」の持つ力を復興に生かそうと、イベントを企画・運営して本県の魅力発信に努めている。
 県民が手掛けた作品を気軽に展示・販売できる「手づくり市 マルシェ」を二〇一三(平成二十五)年五月から年一回、福島市で開いている。「手づくり品を通し、笑顔と生きがいを生み出したい」との願いを込める。全国的に注目され、今では約六万人が来場するイベントに成長し、交流人口の拡大に貢献している。
 風評払拭(ふっしょく)を目指し、県産農産物を使った加工品開発にも積極的だ。飯舘村の「いいたて雪っ娘かぼちゃ」を使ったシフォンケーキや福島市産リンゴを原料にしたクッキーなどを商品化した。手づくり工芸をなりわいにしたい人を応援する表彰事業を始め、福島市大町で「メード・イン・福島」の製品を集めた常設店を運営するなど活動の幅を広げている。
 二〇二〇(令和二)年の東京五輪の開催やNHK連続テレビ小説「エール」の放送に向け、新たな商品や観光ツアーの構想を練る。斎藤幸子代表理事は「福島が抱える課題解決につながるような事業を展開し、復興を後押しする」と言葉に力を込めた。
■メモ
▽設立=2013(平成25)年3月
▽代表理事=斎藤幸子
▽従業員数=4人
▽住所=福島市矢剣町17の8
▽電話番号=024(563)3680