特別賞 磐栄ホールディングス(いわき) 多彩な社業、日本酒も

2020/03/10 16:37

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 大規模災害が起きても物資の運搬体制を維持したい-。いわき市の磐栄運送が母体となって県内外の運送業者などの株取得を進め、磐栄ホールディングス(HD)を設立。関連企業は三十三社を数え、全国にネットワークを拡大する。
 運送業や倉庫業に加え、日本酒造りにも取り組む。創業百五十年の歴史を持ちながらも事業停止した長野県の蔵元を再生して運営し、二〇一八(平成三十)年に日本酒「御湖鶴」を復活させた。今年三月に、会津産の酒米「五百万石」を使った新酒を発表し、本県と長野両県の魅力を日本酒で発信している。
 農業分野にも進出し、地域活性化や雇用創出にも貢献する。いわき市内の磐栄運送の倉庫を利用して無農薬水耕栽培の植物工場を建設し、フリルレタスを栽培している。この技術を生かし、東北大と連携して、葛尾村でマンゴーやバナナなど高機能植物の実証栽培を行っている。再生可能エネルギー事業にも力を入れ、いわき市内などに太陽光発電所を設置した。
 村田裕之社長(59)は「県内の復興や地方の活性化に寄与できる企業として尽力する」と決意は固い。
   ◇    ◇
 磐栄ホールディングスは「第三回ふくしま産業賞」で、経営の再構築などが評価され、特別賞を受けた。
■メモ
▽設立=2016(平成28)年3月
▽社長=村田裕之
▽従業員数=1500人
▽住所=いわき市泉町下川字大剣1-97
▽電話番号=0246(96)6311