特別賞 佐久間建設工業(三島) 木造仮設住宅再利用

2020/03/10 16:43

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 国産材による仮設住宅を再利用するプロジェクトを展開し、全国から注目を集めている。
 契機は二〇一一(平成二十三)年の東日本大震災と新潟・福島豪雨だった。避難者に少しでも快適な空間を提供したいと、伝統的な木組みの建築手法「板倉工法」で仕上げた仮設住宅をいわき、会津若松、金山、只見の四市町に計九十七棟、建設した。再利用を想定し、長期間の使用に耐えられる高品質な部材を用いた。
 仮設住宅の入居者から感想や要望を聞き、技術的な課題を克服した上で移築や再建を進めた。九十七棟のうち約六割に当たる五十七棟を復興公営住宅や住宅、事務所として再利用した。西日本豪雨で仮設住宅が必要となった岡山県総社市に二十四棟を移築した。
 古民家の再生を通じ交流・定住人口の拡大に貢献している。町内にあった古民家をモデル住宅に再生し、首都圏のIT企業が本社オフィスとして入居した。
 佐久間源一郎社長(69)は「地域に必要とされる、住民にとってなくてはならない企業に成長していきたい」と謙虚に語る。
   ◇    ◇ 
 佐久間建設工業は「第一回ふくしま産業賞」で、地元産木材を活用した住宅づくりなどが評価され、銀賞を受けた。
■メモ
▽創業=1919(大正8)年5月
▽社長=佐久間源一郎
▽従業員数=76人
▽住所=三島町早戸字湯ノ平687
▽電話番号=0241(52)3111