特別賞 ふくしま逢瀬ワイナリー(郡山) 味深まる「おらげの酒」

2020/03/10 16:44

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 本県特産の果物を使ったワインやリキュールが自慢だ。県内農家らと協力し、原料となるブドウやモモの生産から製造販売まで一貫して手掛けている。
 東京電力福島第一原発事故の風評にあえぐ果樹農家を支援しようと、三菱商事復興支援財団が二〇一五(平成二十七)年、一般社団法人として郡山市に設立した。主力商品のワイン用のブドウが二〇一八年秋に初回の収穫を迎え、翌年には初の郡山産ワイン「Vin de Ollage(ヴァン・デ・オラージュ)」が完成。福島の方言で「自分の家」を意味する「おらげ」にちなんで命名した。地元の人が「おらげのワイン」と誇れるようにとの思いが込められている。
 一般的に、ブドウは苗を植えてから実がなるまでに二、三年かかる。現在、郡山市内の十三農家がワイン用ブドウを栽培しているが、苗を植えた二〇一五年当初は経験に乏しかった。農家と共にワイン研究会を立ち上げて、試行錯誤を重ねながら木の手入れを続けてきた。
 今年のブドウ収穫量は十四トンと昨年の二倍に増加。ワインやリキュールの生産量も比例して増える見込みだ。森山潤三代表理事(57)は、「まだスタートラインに立ったばかり。農家の方と協力して品質も追究していきたい」と目標を語る。
■メモ
▽設立=2015(平成27)年10月
▽代表=森山潤三
▽従業員数=14人
▽住所=郡山市逢瀬町多田野字郷士郷士2
▽電話番号=024(953)3131