
経営理念は「高エネルギービーム加工を基盤とし、ものづくりを通じて社会貢献活動を目指す」。小規模市場で圧倒的シェアを誇るニッチトップ企業として、地域の経済活性化への貢献を目標に掲げている。
一九八七(昭和六十二)年に東成エレクトロビームの関連会社として設立した。電子ビームやレーザー加工機を使った加工業務を中心に請け負っている。自動車、航空、半導体などさまざまな分野の企業に部品を供給している。
探査機はやぶさ2が小惑星に金属弾を打ち込む世界初の実験で「衝突装置」の開発に携わった。爆薬が入ったステンレス容器と、惑星に衝突する銅板を溶接する難題に挑戦した。二つの金属を爆発により分離させる仕組みで、計算通りに銅板を飛ばすには高度な溶接の技が求められた。二つの金属は融点などが異なるため、最適な溶接条件をつかむのに膨大な時間をつぎ込んだ。「受けた仕事は完遂する」という執念が、トライアンドエラーを繰り返し成功につながった。
上野邦香社長(49)は「衝突装置開発のミッションを無事に終え、心からうれしい」と充実感をにじませる。医療機器分野にも力を入れ、手術用器具などの開発に携わる。
■メモ
▽設立=1987(昭和62)年11月
▽社長=上野邦香
▽従業員数=22人
▽住所=郡山市待池台一丁目26
▽電話番号=024(963)2411