銀賞 紅梅夢ファーム(南相馬) 小高の農業再興目指す

2020/03/10 17:05

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 東京電力福島第一原発事故に伴う避難指示が解除された南相馬市小高区で、コメ、なたね、玉ねぎ、大豆を生産し、農業再興を目指している。小型無人機(ドローン)やロボットなどを活用したスマート農業に取り組み、担い手不足の解消、住民の営農再開につなげている。
 小高区全域に出されていた避難指示が帰還困難区域を除いて解除されたのは、二〇一六(平成二十八)年七月。震災復興を願う佐藤良一社長(66)ら地元農家らが連携し、翌年一月には農業再開に向けて動き始めた。組織の意思決定を迅速に進めるため、農業法人でなく株式会社を運営主体とした。
 自動運転のトラクターやコンバインを駆使し、県オリジナル品種「天のつぶ」を栽培している。情報通信技術(ICT)を活用し、タンパク質や水分の含有量を細かく記録。仙台市の農業法人と連携し、パックご飯として全国に出荷している。二〇一九年度の耕作面積は約五十ヘクタールとなった。二〇二〇(令和二)年度は計七十ヘクタールになる見込みだ。
 コメの生産管理を徹底しており、県独自の農作物安全認証制度「ふくしま県GAP」の認証を受けた。国内版安全認証「JGAP」の二〇一九年度内の取得を目指している。佐藤社長は「ブランドを確立させ、小高の魅力を高めたい」と、故郷のさらなる復興を願う。
■メモ
▽設立=2017(平成29)年1月
▽社長=佐藤良一
▽従業員数=4人
▽住所=南相馬市小高区蛯沢字藤沼160
▽電話番号=0244(44)6200