金賞 宝来屋本店(郡山) 伝統の味で市場開拓

2020/03/10 17:14

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 明治時代から百年以上受け継がれた伝統のこうじを原料にみそ、甘酒、三五八漬けの素を生産している。近年は海外への製品輸出にも力を入れており、日本が誇る「こうじ文化」を世界に広めている。

 事業理念は「伝統の発酵技術を生かし、未来の健康と長寿につながる豊かな食文化を創造する」。「百年伝承糀(こうじ)味噌」などさまざまな製品を作り続け、幅広い世代に受け入れられるよう挑戦と工夫も忘れない。ペットボトルに入れた「冷やしあま酒」は暑い時期に人気を集め、年間二百万本以上を販売するヒット商品となった。

 十五年ほど前から、日本食が普及している米国、オーストラリアなど各国での市場開拓を進めている。二〇一八(平成三十)年にはユダヤ教の戒律に基づく食品認証「コーシャ認証」を生かして、イスラエルに製品を輸出。今秋にはヨーロッパ圏への出荷を果たした。

 二〇一九年の台風19号により工場が浸水し、一時休業を余儀なくされた。「一日でも早く宝来屋の味を届けたい」と全社一丸で復旧に当たり、一カ月で生産を再開した。四代目の柳沼広呂人(ひろひと)社長(44)は「国内外の市場の新規開拓に力を入れ、被災前より事業を拡大したい」と災禍を乗り越える決意を語る。

■メモ

▽設立=1906(明治39)年10月

▽社長=柳沼広呂人

▽従業員数=40人

▽住所=郡山市田村町金屋字川久保54の2

▽電話番号=024(943)2380