第6回ふくしま産業賞 特別賞 大野農園(石川) 新しい農業、多角的に

2021/01/28 23:39

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 約八ヘクタールの果樹園でリンゴやモモ、ナシ、ブドウを栽培、販売している。二〇一二(平成二十四)年に法人化してからは、「新しい農業のカタチをつくる」をテーマに多角的に事業展開している。

 二〇一二年、規格外の果実を原材料に、菓子やジュース、ジャムなどの製造、販売を始めた。県内外の企業と積極的に連携するなどして商品は約五十品にまで増えた。遊休農地を活用し、農園花見や農園ビアガーデンを開催している。果物だけでなく、肉や野菜など県産品の魅力を発信し、東京電力福島第一原発事故に伴う風評の払拭(ふっしょく)に寄与している。

 二〇一九年には加工場・直売所をリニューアルし、カフェをオープンさせた。果物をふんだんに使ったピザが人気を集めている。店内には旬の果物や加工商品も並び、新たなファンの獲得につながっている。

 社業発展に伴い、毎年、三、四人を新規採用している。県外出身者が多く、ほとんどが農業未経験者だ。異なる背景を持つ従業員が集い、自由で新しい農業が生まれるという。

 大野栄峰社長(37)は「同業種と競合ではなく共同し、異業種と連携することで農業を発展させていきたい」とビジョンを描く。

■メモ

▽設立=2012(平成24)年5月

▽社長=大野栄峰

▽従業員数=23人

▽住所=石川町赤羽字新宿130

▽電話番号=0247(57)6004