第6回ふくしま産業賞 特別賞 シニアリンク・コミュニケーション(福島) 介護施設で衣類販売

2021/01/28 23:36

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 介護施設を訪れ衣類販売、理美容事業を展開している。買い物や、おしゃれを通じ、入所者に日々の楽しさを提供している。

 遠藤康弘社長(36)が中学生だった約二十年前、祖母サダ子さん(故人)が要介護状態となったのが会社設立のきっかけ。百メートル先の店にも歩いて行けない祖母の姿を前に、体の自由が利かず、つらい思いをするお年寄りは増えるだろうと予測を立てた。解決策を探ろうと心を決めた。介護系マーケティング企業などで経験を積み、古里の二本松市に帰郷。二〇一六(平成二十八)年九月に福島市で創業した。

 訪問事業では上着や肌着、靴下、雑貨などさまざまな日用品を介護施設に並べ、お気に入りの品を選んでもらう。理美容免許を持つ従業員がヘアカットやパーマ、化粧などを施す。東日本を中心に訪れる場所は千カ所を超える。週末や休日に仕事を入れないため、結婚や出産後も仕事を続ける理美容師が少なくない。

 新型コロナウイルス感染拡大後はオンラインによる接客販売を始めた。従業員がパソコンの画面越しに商品を売り込む。遠藤社長は「団塊の世代の後期高齢者が増えていく。ノウハウや知見を蓄積し、人材育成を進める」と将来に備える。

■メモ

▽設立=2016(平成28)年9月

▽社長=遠藤 康弘

▽従業員数=16人

▽住所=福島市成川杵清水32の1

▽電話番号=024(573)5340