
瓜生和徳代表(61)と恵子さん(48)の夫婦が、県産食材をふんだんに使ったギョーザの開発から製造・販売までを手掛け、福島の食の安全性と魅力を発信している。
県内外の飲食店や道の駅、スーパーなど約三十の取引先に、看板商品の「喜多方もっちり餃子」とギョーザの皮を届けている。自社生産のコシヒカリとこがねもちの米粉を練り込んだ皮で県産のエゴマ豚と野菜などの餡(あん)を包み、もちもちとした食感が特徴。二〇一九年には、サツマイモなどの粉末で六色の皮を開発した。
和徳さんは以前、東京都内で働いていたが、二〇〇〇(平成十二)年に地元の喜多方市にUターンした。両親の田んぼを引き継ぎ、無農薬米の栽培を始めた。生産が軌道に乗りかけた時、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故が発生し、放射能による風評を被った。コメを活用できる食べ物としてギョーザ作りを思い立ち、二〇一三年に完成させた。
今後はギョーザなどの専門店の開店を目指す。地域の新たな名物にし、誘客につなげたい考えだ。瓜生代表は「ギョーザのイメージを覆すような商品を作り、復興と農業の魅力向上に貢献したい」と前を向く。
■メモ
▽設 立=2013(平成25)年1月
▽代 表=瓜生和徳
▽従業員数=2人
▽住 所=喜多方市熱塩加納町加納字古屋敷甲2889の4
▽電話番号=0241(36)2675