
福島大が認定する初のベンチャー企業で、共生システム理工学類の高橋隆行教授(59)の研究室が二〇一五(平成二十七)年四月に設立した。同大所有の特許技術を生かし、最先端ロボット関連製品の開発・製造・販売に取り組む。
ロボットの指などの機械を精密に動かす「立体カム機構」と、モーターの回転を減速して力を増幅させる「クラウン減速機」の量産化を目指している。部品となる歯車がかみ合う際の隙間を最小にする技術を応用し、小型で正確な製品を仕上げる。特殊加工機を利用して歯車を自社生産し、コストを最小限に抑える。
同社初の製品として「立体カム機構」を活用した三本指のロボットハンド部品を二〇一九年から販売し、翌年には「クラウン減速機」の取引が始まった。試作や量産部品の供給で連携する県内企業とともに、一層のコスト削減を目指す。
「立体カム機構」と「クラウン減速機」を組み合わせた「ロボットチャック」(物をつかむ小型電動機器)の出荷も迫っている。次世代ロボットや医療、航空宇宙などさまざまな分野への活用が期待される。伏見雅英社長(48)は「小さくて性能が良い商品を生み出し、社会のロボット化を後押ししたい」と意欲を見せる。
■メモ
▽設立=2015(平成27)年4月
▽社長=伏見雅英
▽従業員=7人
▽住所=福島市金谷川1
▽電話番号=024(563)7181