
家具や内装などに使用される薄いシート状の木材「突板(つきいた)」を貼り合わせ、立体的な作品を作るアートキット「木はり絵」を考案した。
成田能人代表(49)は、木材の輸入自由化と価格下落による国内林業の衰退に危機感を抱いた。国産材を使ったものづくりを通じて林業に貢献したいと、木工所を辞め起業した。
木はり絵は、木に触れて楽しみながら興味を持ってもらえるよう、紙のようなシート状の木に描かれたパーツを切り取り、貼り合わせて作品を完成させる。動物や世界遺産、浮世絵など約七十種類を数える。
二時間程度で完成するはがき大の初級、五時間ほどかけてA5サイズを作る中級、十時間で制作するA4サイズの上級まで難易度を三段階設けた。絵柄などに合わせブナ、ヒノキ、スギ、キハダなど約十種類の木の板を組み合わせるため、色や木目、香りの違いを感じることができる。
新型コロナウイルス感染拡大によりイベントなどでの販売が減ったが、現在は巣ごもり需要でインターネットでの売り上げが伸びているという。成田代表は「製品を輸出して国産木材をアピールし、林業関係者を少しでも元気づけたい」と抱負を語った。
■メモ
▽設立=2015(平成27)年9月
▽代表=成田能人
▽従業員数=2人
▽住所=会津若松市門田町黒岩南青木243
▽電話番号=0242(77)4296