
大玉村産の生乳100%のソフトクリーム「きよミルク」を製造・販売している。生乳の低温殺菌や均質化をしない「ノンホモジナイズ」製法を取り入れ、風味の良さ、甘味、コクを引き出す。合成添加物を使用せず、子どもからお年寄りまで安心して食べられる。
千葉清美社長(55)は二〇〇五(平成十七)年、夫の仕事の都合で横浜市から移り住み、村内に家を建てた。自然あふれる風景が好きになったという。ソフトクリーム作りを始めたのは東日本大震災がきっかけだった。農業や畜産業の関係者が次々と仕事を辞め、耕作放棄地やソーラーパネルが周りに増えていった。大玉の美しい田園風景を守りたい-。ソフトクリームを通して若い世代に農畜産業に興味を持ってもらいたいと、事業を立ち上げた。
「きよミルク」の開発には、地元酪農家や県酪農協同組合などから協力を受けた。二〇一九年一月に会社を設立し、同三月には二本松市に製造工場を設けた。「圧倒的においしいこと」を理念に、世話になっている人に恩返ししたいと仕事に打ち込んでいる。
今後は生乳を活用してバターや菓子、グラタンなどを商品化する予定だ。千葉社長は「農畜産業の大切さを知ってもらいながら、食事を楽しめるカフェをいつの日にかオープンさせたい」と夢は尽きない。
■メモ
▽設立=2019(平成31)年1月
▽社長=千葉清美
▽従業員数=1人
▽住所=二本松市西町2の1
▽電話番号=090(7562)3643