第6回ふくしま産業賞 特別賞 わたなべ(浅川) 八溝杉から机や椅子

2021/01/28 23:25

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 内装工事や新築・リフォーム工事を手掛けている。林業の活性化を図るため、「県産造作材の生産計画事業」に独自に取り組み、八溝(やみぞ)杉を活用した幅はぎ材を製造。造作材としてだけでなく、学校用の机や椅子、家具などに活用している。

 福島、茨城、栃木の三県にまたがる八溝山系で伐採される八溝杉は、木目が美しく、曲げに強いなどの特長がある。縦、横両方向に接合部がある集成材と異なり、一方向のみを接合する幅はぎ材は、一枚板のような木目となり、木のぬくもりを感じるデザインに仕上がる。地元企業が製材、加工することで、輸入造作材に比べて納期が短縮でき、コストカット、安定供給も実現できた。広野町のふたば未来学園高の体育館など、県内外の内装工事に採用され、高い評価を受けている。

 二〇一七(平成二十九)年には浅川町のこども園に椅子を、翌年には小学校に学習机と椅子を納入した。幼少期から県産木材のぬくもりに触れることで、木の魅力や森林の大切さを学ぶことができる環境づくりに寄与している。渡辺章社長(60)は「県内以外の建築業者に使用してもらい、福島の林業活性化につなげたい」と願っている。

■メモ

▽メモ=1902(明治35)年4月

▽社長=渡辺章

▽従業員数=7人

▽住所=浅川町浅川字本町73

▽電話番号=0247(36)3105