
東京理科大工学部機械工学科の小林宏教授が二〇一三(平成二十五)年、創業した。「生きている限り自立した生活を実現する」を理念に、身に着けて体の動きをアシストする「マッスルスーツ」の開発、販売を進めている。二〇一九年、福島市に開発拠点の福島研究所を設けた。
マッスルスーツに手動で空気を送り込むと、ゴム製の人工筋肉が収縮して動作を補助し、重い荷物の運搬が楽になり、中腰の作業で腰の負担が減る。電動バッテリーを載せる必要がなく、軽量化と低価格化を実現した。国内外で累計一万三千台以上を出荷している。南相馬市の菊池製作所南相馬工場が製造を担う。
医療分野への応用も見据え、身体障害者やけがなどでリハビリが必要な人向けに医療用マッスルスーツの開発を進めている。二〇一九、二〇二〇年度には「ふくしま医療機器産業推進機構」の支援を受けて県内の医療機関に試作品を貸し出し、反応を元に製品化を目指す。
雪かきや在宅介護など一般家庭で使えるよう、商品ラインアップを増やす考えだ。折原大吾社長(48)は「今回の受賞により、県民にマッスルスーツを知ってもらえればうれしい」と期待を寄せる。
■メモ
▽設立=2013(平成25)年12月
▽社長=折原大吾
▽従業員数=33人
▽住所=福島市三河南町7の11(福島研究所)
▽電話番号=024(572)3133