第6回ふくしま産業賞 特別賞 七日町通りまちなみ協議会(会津若松) レトロな景観に改修

2021/01/28 22:49

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 七日町通りは、会津若松市のJR会津若松駅から南に車で五分ほど離れた商店街。八百メートルほど真っすぐに続く通りには、明治、大正、昭和の古い建物が並び、レトロな景観が楽しめる。

 江戸時代は日光や越後、米沢へと向かう主要道だったが、昭和の終わりごろから郊外のバイパス整備などで客足が徐々に遠のいた。二十五年ほど前には、通りの七割以上が空き店舗となった。週末に通行人を調べると地元の人しかいないという寂しい状況になり、渋川恵男会長(73)=会津若松商工会議所会頭=ら有志が一九九四(平成六)年三月、結束して協議会を発足させた。

 渋川会長らは、通り沿いに数多く残る歴史的な建築物に注目した。街並み景観を商店街の再生と活性化の起爆剤に据えた。所有者に賛同を呼び掛けながら県や市の補助金などを活用し、これまでに約五十軒を改修した。七日町通りならではのイベント開催などにも力を入れ、今では全国から年間三十万人が訪れる市内有数の観光地に育てた。年間十五億円の経済効果を市内にもたらしていると試算している。

 空き店舗への入居希望も相次いでいる。渋川会長は「通りの裏路地の開発にも力を入れ、奥行きのあるまちづくりを目指したい。十年ほどかけて年間百万人の入り込みを達成したい」との目標を掲げた。

■メモ

▽設立=1994(平成6)年3月

▽会長=渋川恵男

▽会員数=113人

▽住所=会津若松市大町1丁目8の24(企画キャップ)

▽電話番号=090(2984)9113